準備と心構え

災害ボランティアについて

災害ボランティアの活動内容は、災害の発生(発災:はっさい)後の時間経過や状況によって大きく変わりますが、一般的に大きく2つの内容に分けることができます。

1.被災者への支援(住居・避難所)

  • 物資の搬入・整理・配布
  • 家屋の清掃・片付け(泥出し)
  • 炊き出し
  • 被災材の運搬(被災材集積場へ)
  • 情報収集(困りごとの聞き取り調査)
  • その他(被災者のレクリエーション、マッサージ、メンタルヘルスケア等)

2.災害ボランティアセンターの運営支援

  • ボランティアの受付
  • オリエンテーション(活動の基礎説明)
  • マッチング(被災者等への応援内容説明)
  • 資機材の貸与など

1 ボランティア活動に入る前の準備

①現地情報の確認
②義援金など現地入り以外の活動
③服装・④持ち物の確認(自己調達)
⑤交通手段の確保
⑥食事・宿泊の確保(自己負担)

1. 現地の情報を確認しましょう

被害状況はそれぞれ異なります。参加する現地が現在どのような状態になっているか確認し、ボランティアの必要度をしっかり把握しましょう。
被災地に設置される災害ボランティアセンターの多くは、ホームページ、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)などを通じて、ボランティア募集情報を発信しています。
また、ボランティア参加や活動期間を家族等に伝えておきましょう。
万が一の事故・ケガに備えて、お住まいの市町村社会福祉協議会で、ボランティア活動保険へ加入してください(義務付け)
水害以外は、地震・噴火・津波による事故やケガも補償する天災タイプのボランティア活動保険への加入がお勧めです。

2. 現地入りだけがボランティア活動ではありません

義援金やボランティア活動資金に募金をすることも考えられます。
救援物資は現地の復旧の妨げになる場合があるので、送らないようにしましょう。送る場合は、必ず事前に災害対策本部などに確認しましょう。

3. 服装

災害ボランティアの服装、携帯品は、水害や地震など災害の状況により若干違いがありますが、下記のホームページを参考にしてください(レスキューストックヤード発行)。
基本的には、汚れても良い服装でお越しください。また、作業に適した服装をしましょう。冬は防寒着もお忘れなく。底の厚い靴が良いですが、動きにくいものは避けましよう。

4. 持ち物

被災者への支援を最優先にするためにも、活動に必要なものは自分で準備していきましょう。
軍手、タオル、防塵マスク、ティッシュ、着替え、昼食、飲み物、救急用品(救急ばんそうこうなど)、雨具、健康保険証(写し)、ゴミ袋などは必ず携行しましょう。

服装・携帯品の確認

水害や震災など災害の種類、電気・ガス・交通網などライフラインの復旧状況、季節によって準備品が異なりますが、基本的には次のようなものが必要となる。

基本服装
  • 作業着(基本は薄めの長袖(腕まくりできるもの)、長ズボン)
  • 安全靴、長靴、スニーカー等汚れてもよい靴
  • ヘルメットや帽子(キャップ型)等の頭の保護ができる装備
  • スリッパ(宿舎で必要になる場合あり)
  • マスク(あればゴーグル)等粉塵対策の装備
基本携行品
  • カロリーメイト、ウィダーなど
  • 水(500ml×2本以上)
  • 塩飴(ミネラル飴)又はスポーツドリンク(500ml)現地でも買えます
  • 胃腸薬・風邪薬・目薬(持病の薬も)
  • 雨具(カッパ、レインコート等)
  • 作業用ゴム手袋(あれば持参) 急に作業が入る場合がある
  • 防塵マスク(災害ボラセン運営支援の場合は普通のマスクでも可能)
  • タオル(汗拭き用ほか)、汗ふきシート(大きいウェットティッシュ)
  • 携帯電話、スマートフォンなどの通信機器と充電器
  • ゴミ袋(弁当殻等持ち帰り用)、ビニール袋数枚

5. 交通手段

乗用車での現地入りは交通渋滞などを起こす恐れがあり、緊急車輌や災害復旧作業の妨げになることがあります。できるだけ公共交通機関などを利用しましょう。また、交通費は自己負担になります。
※ボランティアバスなどが運行される場合があります

乗用車での現地入りはできません

6. 食事・宿泊

食事・宿泊については、自分自身で手配するようにしてください。災害ボランティアセンターでの斡旋は行いません。また、食費・宿泊費は自己負担になります。
現地やその付近で被災のなかったホテルや民宿などへの宿泊、車中泊(車中泊に適した車両)、テントと寝袋を持参しての寝泊まりなど各自で確保となります。(災害ボランティアセンターによっては、ボランティアのテントスペースや駐車場、入浴場案内を紹介している場合もあるので確認してください)

現地でのボランティア活動

自分勝手な活動は現地での混乱のもとになります。
必ず現地災害ボランティアセンターと連携し、指示に従い活動しましょう。

受付

現地ではまず、氏名・住所・ボランティア活動経験の有無・ボランティア保険加入の有無などについて、受付を行います。災害ボランティアセンターでも加入できますが、スムーズな受付のため出発前に地元の社会福祉協議会で「ボランティア保険」に必ず入っておきましょう。
※台風などの風水害は「基本プラン」で補償されますが、不測の事態に備えて地震・噴火・津波によるケガも補償される「天災・地震補償プラン」への加入をおすすめします。

オリエンテーション

活動にあたり、ボランティア内容や役割を確認していただくためにオリエンテーションを行います。被災地での活動だということを認識するためにも、しっかり聞きましょう。

マッチング

被災された方から出されているニーズ(要望)と、活動を行うボランティアのマッチング(調整)を行います。いつも活動のニーズがあるとは限りません。待機時間があることについてご理解ください。

資機材の貸り受け・現場への移動

現場での活動に必要な資材などを資材受け渡し場所でもらいましょう。
お手洗いなどの出発準備を済ませたら、グループごとに徒歩や車両(相乗り)で移動します。現場が遠い場合は、ワゴンやバスで送迎される場合もあります。

活動

以下の点に注意して活動をしましょう。

活動の注意点(ケガ・病気をしないように!)

ケガや病気をしてしまうと、同じグループや依頼した家の人にも心配をかけてしまいます。最後まで素晴らしい活動が終えられるよう、以下に注意してください。

  • ケガをしないように十分気をつけましょう。
  • 同じグループの人が頑張っていても、絶対にムリをしないよう、自分のペースで活動しましょう。
  • 短時間ごとに休憩をしましょう(熱中症・腰痛予防など)。
  • 気分や具合が悪くなったら早めにリーダーに伝えましょう。そのためのリーダーでもあります。
  • 危険な作業は、ボランティアではできません。安全な場所で危険のない作業をする」のがボランティアです。

活動にあたっての心構え

  • 被災者の気持ちにたって行動しましょう。
  • 自分では善意のつもりでも、被災者にとっては押しつけとならないよう気をつけましょう
  • 被災地でのボランティア活動は、被災地域に住む人自身の力による地域復興・再生の「手助け」であるという意識をもって活動しましょう。

活動中に注意すること(10コの心構え)

  • 被災地での活動は、現地の災害ボランティアセンターの指示に従って行動。
  • 災害ボランティアセンターで用意された名札をキチンと着用。
  • 休憩時間には、コミュニケーションを深めましょう。
  • こまめに休憩や水分補給をする。水分補給は10~30分おきに。
  • 作業に危険を感じた場合は、ハッキリと断ろう。
  • 安易に「できます」「やります」と約束せず、わからないことがあれば、災害ボランティアセンターに問い合わせよう。
  • 無理して一緒に作業を手伝おうとする被災者には「ゆっくり休んでください」と気配り。
  • 被災現場での集合写真撮影や、被災者との記念撮影をお願いする行為は、絶対にしないこと。
  • 被災者宅の品々は「捨てていいですか?」ではなく「洗ってとっておきましょうか?」とたずねる。
  • 「待つこともボランティア」と心得る。
    (参考:熊本県災害ボランティアセンターHPより)

3 活動が終わったら

うがい・洗浄

決められた時間までに災害ボランティアセンターに戻ります。ほこりや泥などからの細菌感染を防ぐためにも、しっかりとうがいや資材の洗浄を行いましょう。

活動報告(リーダー)

依頼された先での活動について、活動報告ブースでリーダーが報告します。依頼者のようす(元気がなかった等)、活動が終わらなかった部分や、新たな支援依頼などについてもあわせて報告します。

帰宅

お疲れ様でした。十分に気をつけて事故などないようにお帰りください。

災害ボランティアと災害ボランティアセンターについて

災害時に設置される、被災地での防災ボランティア活動を円滑に進めるための拠点です。近年では、被害の大きな災害に見舞われたほとんどの被災地に立ち上げられ運営されています。
災害ボランティアセンター本部に寄せられるニーズ(被災された方々からの応援要請)は、本人や家族だけでは対応しきれず、場合によっては行政も応えきれない手助けを必要としているものです。例えば、自宅の泥出し・片づけ、居場所の確保、食料・水の配布、炊き出し、そして被災材等を集積場へ運搬することなどが挙げられます。
このように、公的にはできないところをボランティアの方々にお手伝いいただき、被災者支援を行っています。